ワーママと本と冒険の旅

年間100冊読むワーママ(2児の母)が読んだ本についてご紹介します!

待てる人になりたくて読んだ本

子育て&働くパパ、ママにオススメしたい本 その17

『子どもが伸びる待ち上手な親の習慣』庄子寛之 青春出版社 2022年

「教育本」とか「育児本」とかを進んで読むタイプではない私が今回こちらの本を手に取ったのは「あ、やっぱり・・・」と思う言葉がタイトルにあったから(笑)。

それは「待ち上手」というフレーズ。

私は仕事でも家事でも育児でも「待つ」ことが苦手なタイプでして、とにかく「速く!手短に!」を自分にも他人にも求めがちな「せっかち母さん」。

我が子に対しても待てず「あと数秒くらいは待てたんじゃない?」と後悔することが多いです。

今回の著者が考える子育ての極意それは

自分を整え、(我が子を)ただ見て、ともに学び、伝え、寄り添い続ける

読んで率直に思ったのは私にはまず「自分を整え、ただ見て」ができれば、いいお母さんになれるだろうなあと。

逆を言えば、これがいっぱいいっぱい(笑)。

(本当は「ともに学び」までできるようになりたいと思うのですが・・・)

またどうにもこうにも忘れがちなのが「自分が子どものときできたことは、自分の子どももできる」という我が子からすればなんとも無茶ぶりな思考(汗)。

教員をされている著者自身も、我が子にそういった目線で接してしまうことがあったそうなので、たいていの親が嵌ってしまう部分かもしれません。

しかしこの思考は子どもからすれば、苦しいことだなあと。

私は得意なことでも旦那は不得手だったり、その逆も然り。

そう考えると「私の子どもなんだから、このくらいできるでしょ!」は意味不明な押し付けだなあと。

そしてドッキリとした著者の言葉が

『ついつい我が子にも、自分が子どものときに言われたことを、よかれと思って伝えてしまうのです。

伝えることで無意識に「自分」という存在を肯定したいのです。』

・・・確かに確かに怖いけれど「自分の今までの人生は間違っていない。自分の価値観は間違ってない」と肯定したいがために我が子に色々押し付けていることってあるのでは?とけっこう落ち込みました(汗)。

また(親からの)言葉はほとんど(我が子に)通じていないと思っていたほうがいいという話は以前のこのブログで紹介した 「オススメ本 その10」

awayukihaha.hatenablog.com

でもありましたが、熱量込めて叱って良かったことなど確かにないです(大汗)

 

子育て本として色々勉強になるのはもちろんなのですが「待ち上手な人」ってつまり「聞き上手な人」でもあるよなあと気づきました。

仕事において大事なのは「話し上手」ではなく「聞き上手」であると聞いたことがあります。

なので仕事の面でも行き詰まりを感じている方は読んでみてください。

「まあいっか」「どうしたの?」の魔法の言葉について知っておく価値はあると思います。

何色のメガネをかけて生きているのかを考える本

働くパパ、ママにオススメの本 その16

『「バイアス社会」を生き伸びる』中野信子 小学館 2023年

以前ご紹介した『親の期待に応えなくていい』

https://awayukihaha.hatenablog.com/entry/2023/11/01/064407

同じシリーズの1冊です。

 

タイトルの通り「バイアス」「偏り」「偏見」についての本です。

ただし安易な対処法とか対策法が記されているわけではありません。

むしろそういったことがいかに難しいかを教えてくれています。

ではなぜ今回こちらの本がオススメかと言いますと・・・

1,昨今のエビデンスを根拠にした論調に違和感があったがそれがなぜか分かったから

2,子供に「◯◯らしさ」を押し付けるのは良くないが、なぜ良くないのかまでは掘り下げてみることも大切であることに気づいたから

3,相手を論破したい!という思いは悪くないが、それを回避する方法を考えるほうが健全なこともあることを知ったから

もちろん他にも読んでいて興味深いところはあったのですが、私としては上記3点が特に子育て世代の方に知ってほしい部分だなあと思いました。

まず1番 エビデンスについて

子育て雑誌やネット記事でやたら「エビデンス(科学的根拠)が〜」と出てくる気がしていました。「母親だから」とか「日本では昔からこうだから」とか言われるよりは断然受け入れやすい内容が多いし助かるのですが、その反面

エビデンスってそんなに絶対なのかなあ・・・と(汗)。

著者からすると「その根拠になっているのが、誰のどんな論文でどんな実験なのか」まで確認しないとダメだそうで、今は通説でも10年後も通説とは限らないもののようです。

2番 「◯◯らしさ」について

子供の服とか持つ物とかおもちゃとか・・・

「女の子だから!」とか「男の子だから!」とかなるべく言わないように日々の子育てでは心がけているつもりですが、それでも「◯◯らしさ」を子供に押し付けようとしているときがあります。

なぜそうしてしまうのか?

考えてみると私の場合は「なんだかんだそのほうが周りから変に浮いてしまうリスクが減るから」なのですが、うーん・・・それは子供にとっては大きなお世話になっているのなあと思いました。

 

3番 相手を言い負かすよりも健全な方法を模索するするほうがいい

社会人歴もまあまあの年数になってきたこの身としては、これには納得です。

相手のバイアスを変に攻撃するよりも、それを回避したりするほうが自分のストレス軽減にも繋がると思います。

特に子育て世代は家庭や子供がいる以上、火の粉が自分自身以外にも降りかかる可能性あるので、世の中のバイアスとは慎重に向き合ったほうがいいのでしょう。

(しかも私自身がけっこう「自分の価値観=世間もそうのはず」みたいは発言をしてしまうことがあるので注意しないといけないとなあ・・・)

 

自分が一体何色の(バイアス)メガネをかけて生きてきたのか?

それを考えて、一呼吸おいてから子供や家庭と向き合うと、違う色のメガネが手に入るかもしれません。

 

お金に振り回されたときに読む本

 

働くママ、パパにオススメの本 その15

『なるべく働きたくない人のためのお金の話』 大原扁理 百万年書房 2018年

自分のため、家族のため、子供のために

「お金を貯めたい!」

「お金をもっと稼ぎたい!」

と思っているけれど、そうそう上手くいかないなあ〜と、思っている方にオススメな本です。

私は今まで「どう貯めるか」とか「どう節約するか」とか今の生活の現状維持もしくは貯蓄をアップする方法を模索するために、そういった関連書を読むことが多かったのですが、前回のブログで書いたように行動力が足りず、あまり実になっていないのが現状でした。

それはそれで問題ですが、それとは全くの視点で自分の生活を考え直したくなる本でした。

「年収90万で東京郊外に住む」を実践した筆者の実体験に基づく人生論とお金の話なのですが、この方の生活スタイル、お金との向き合い方を知ると

つくづく自分がお金と世間の空気に縛られて生きていることが分かります(汗)

自分は人並みに物欲とか見栄とかもありますし、家庭も旦那も子供もいるので年収90万の生活で満足することはできませんが、この筆者のお金との向き合い方は確かにストレスが少なく、自分を大切にして、毎日を充実に生きていけるだろうなあと思います。

お金が少ないことで、却って心にゆとりができるというのも羨ましいです。

筆者と同じく私も「自分が頑張って稼いだんだから自分のために使うのは当然だ」と思って若い頃は生きていた気がします。今はさすがに子供がいるので「子供のために」が増えましたが、去年あたりから色々な本を読んでいくうちに

子供の未来を良くしたいのだったら、世の中全体が良くならないとダメじゃない?

と思うようになり、少額ながら自分の関心のあるところに寄付を始めました。

この筆者も同じように自分の中だけにお金を溜め込むのが、いい使い方ではないと考えています。

この本に書かれている生活を実践することは、子育て中のママ、パパには現実的ではないですが、

金を大事する子供を育てたいとお考えの方はぜひ読んでみて、お金に対する不安、不満を軽くしてみてはいかがでしょうか?

行動力に勝る説得力なしを知る本

働くワーママにオススメの本 その14

『キッチンで読むビジネスのはなし 11人の社長に聞いた仕事とお金のこと』    一田憲子 KADOKAWA 2018年

今回紹介するのは、キッチンで家事片手にビジネス書を読みたい方にオススメ!・・・と言いたいところですが、キッチンで読むには重すぎます(笑)

(でも、キッチンのすみっこで丸椅子にでも腰掛けて読んだらいいかも)

この本のいいところは

様々な社長たちのインタビューをまとめた著者が、そこから触発されて自分自身の行動にどう落とし込んでいくか、まで記してある点です。

起業家へのインタビュー記事とか、社長直伝のビジネスの心得談とか、そういった類の書籍はいっぱいあると思いますが、取材したライターさんがどういった感銘を受けたかは触れられないことが多いのではないでしょうか?

このライターさんの臆病さや自信のなさを吐露する記述は、多くの読み手が共感する部分もあると思うので、ゴロゴリのビジネス書はハードルが高そうだなあと考える方には力を入れずに読める内容になっていると思うので安心感があります。

でも内容が軽いとか中身が薄いとかそういったことはなく、

ビジネスを成功させるのには、自分と他者を信頼する勇気と行動力が大切であると勉強させられます。

例えば菓子研究家のいがらしろみさんの

「どんなに考えても行動しなかったら何もしてないのと同じ」

という言葉は、グサッときました(苦笑)

最近、我が子も成長したせいか「口では言うけど、行動しない」ことが増えてきて、思わず「あれこれ親に要望する前に、先に言われたことをやってからにしなさい!」と言ってしまうのですが、母である自分自身が

今日は仕事で疲れたから・・・

今日は予定外のことが多かったから・・・

など言い訳して何も行動していないことがあり、ビジネスで成功する人というのはウジウジできない理由を探したり、くどくど言い訳を並べたりとかしないのだろうなあと思いました。

そんなことする暇があったら、もっと仕事や家事のパフォーマンスが上がるようなことを考えて実践して生きているんだうなあ・・・と。

もうひとかた服のデザイナー&オーナーの帽子千秋さんも、仕事と子育てをしつつ、(初めからがっつりビジネス展開していたわけではありませんが)、こういった書籍に取り上げられるという事実から「やれない、できない」ではなく「とりあえず行動する、やってみて考える」が当たり前にできる人が、世の中を作る人になるんだなあと勉強になりました。

会社に使われる立場にちょっと疑問を持っている方、子育てもしているから新しいことに挑戦できないと思っている方、ぜひ読んでみてください。

 

 

トゲトゲした心が、まーるくなる本

 

オススメの本 その13

俵万智の子育て歌集 たんぽぽの日々』俵万智 小学館 2010年

「あー、今日も子供を怒っちゃった・・・」と、子供の寝顔を見ながら後悔した夜にオススメの一冊です。

私は活字好きですが、詩集はなかなか手をつけないジャンルです。

でも今回鮮やかなたんぽぽ色の表紙と有名な筆者、そして写真が市橋織江さんということで思わず手が伸びました。

息子さんとの日常のやり取り、成長、子育ての悩みが短歌で綴られています。

ああ・・・偉大な歌人も子育てになると凡人と同じなんだなあ

でも、さすが歌人・・・子育てが文学になっている・・・

と、親近感と高尚感(?)が一体となって押し寄せてくるので、読んでいて楽しいです。

また磨き上げられ、選びぬかれた短歌を読んでいると気持ちがスーッと落ち着く感じが何とも心地良く・・・

(さらに市橋さん写真があることで、この詩集の世界観がピタッと!完成しています)

自分のとっておきの本棚を作るとすれば、手に届くところに置いておきたい一冊です。

 

私が特に心にズーンときた歌は

  親は子を育ててきたと言うけれど

  勝手に赤い畑のトマト

ついつい「子供よりも親は偉い!」みたいな態度を私はしてしまうので、この歌を読むと下手に育児書を読むより「はい、おっしゃると通りです」と頭が下がります。

あと俵さんのお父様がとても気になったというか・・・

尊敬するような人物だなあ、と。

「(失恋で受験勉強できないなら)アメリカの大学はどうだ?(←試験がないから)」

「100点じゃなかったらむしろラッキーと思え。自分ができない、分からないところをテストが教えてくれんだから」

目先のつまらないことにいちいち拘らない方のようで、お父様とのエピソードがもっと読みたいくらいでした。

子供にも自分にも優しくしたいママ、パパさんは

ぜひ一度、俵万智ワールドを堪能してみてください。

 

近所を冒険したくなる写真集について

 

オススメの本 その12 今回は写真集の話を。

ソール・ライター

『ソール・ライターのすべて』青幻舎 2017年

『永遠のソール・ライター』小学館 2020年

子供が小さいうちは遠出はけっこう大変だし、近所の公園に行くのが関の山・・・

いつもの日常に幸せを感じつつも、バタバタの仕事とバタバタの育児に、

たまにはどこかに行って、違う景色が見たい!

と思うママ、パパもいるのではないでしょうか?

そんな人にぜひチェックしていただきたい写真家がいます。

 

アメリカ・ニューヨークを愛した写真家ソール・ライター(1923〜2003年)です。

身近なところにも日々発見と驚きがある。

そんなことを気づかせてくれるのが彼の写真の魅力です。

その視点は、子と接する親にはけっこう大事な視点だと思います。

 

写真集の内容は、

商業誌で活躍していた頃の美しいモデルの写真も大変美しいですが

私が特に注目していただきたいのが、

彼の住まいを拠点に近所の風景を撮影した写真です。

こう書くと単調で面白みに欠ける写真を想像するかもしれませんが、全くその逆です。

「感動と驚きと幸せは、どこか遠くに行かなくてもある」

「見る視点を変えることで違った世界が見えてくる」

そんなことを教えてくれる写真と言葉が続く本になっています。

 

実はこの写真集を手に入れたのは子供を出産してしばらくしてから。

クリスマスプレゼントに夫にリクエストして買ってもらいました。

「子育てを離れてどこかに行きたい」

「世の中はキラキラでいいな〜。私はなんてボロボロなんだろう・・・」

と、軽く産後うつみたいな心境になっていた当時。

体力が戻らず、部屋着のまま子供を抱っこして近所をフラフラ散歩するのが精一杯の毎日。

そんなとき、この写真集を眺めていたら「ニューヨークって素敵だなあ」と感じる一方

「そうか。こういうふうに、ゆっくり世界を観察してみたら我が家の近所の散歩だって、なかなかの冒険になるかもしれない」

と、心が少し軽くなったことを覚えています。

 

週末の子供とのお出かけを楽しみにしたいママ、パパにオススメです。

また写真の構図、色合いもとても勉強になるので、アート系に興味のあるお子さんとは、ぜひ一緒に彼の世界を堪能してみてください。

 

人間の果てしない欲望について考える本

2024年になりました。

年明け早々、甚大な災害、悲しい事故がありました。

 

年末に読んだ本がたまたま自然とエネルギー関係の本でした。

正しく報道を理解するためにも、自分はまだまだ勉強不足だと痛感させられた本でした。

オススメの本 その11

『世界がわかる資源の話』鎌田浩毅 大和書房 2023年

今回こちらの本をオススメしたい理由は

ネット記事、テレビのニュース、新聞等で環境や資源の話が出てきたときに

「この言葉どういう意味?」

「なんでそれで他の国とケンカするの?」

自分で答えられない内容を分かりやすく解説しているからです。

また、ひとつの話題を見開き2ページで説明しており、ちょっとした隙間時間にも読み進めやすい点もポイントです。

正直、バリバリ文系の自分には難しく感じる話題もありましたが、水や森林の問題は流石に馴染みがあるのでとても勉強になりました。

理科系の科目に興味関心がある中学生にも読んでほしいです。

電気も水道もガスも大事な資源を使っていることは知っているけども、あまりに当たり前に生活の中に溶け込んでいるので、それがどういったプロセスを辿って我が家にあるのかうまく説明できない自分の無知さ。

無知すぎて、資源を使うことが地球にどんな負荷を与えているのか、なんだかものすごく遠い世界のことを考えているようでぼんやりしてしまう自分が怖かったです。

以前読んだ「マイベストブックその3『暮らし図鑑 エコな毎日』 」(2023年11月8日更新記事)のときと同じように、自分の身近なことなのに、何の知識もなく使い続けることの矛盾がものすごく違和感を感じました。

そして日本にも自力で調達できる資源があること、今後新たな資源を自前で手に入れる可能性もあることが喜ばしいことなのか、また地球を食い物にしていくのか、なんともく不雑な気持ちになりました。

子供が小さいうちは環境の話も資源の話も難しく説明できないですが、大人として真面目に向き合う姿勢を見せることは必要ですし、むしろ今の若い世代のほうが環境問題を真摯に考えていると思うので、彼らに負けないようにもっと勉強しなければと思いました。