ワーママと本と冒険の旅

年間100冊読むワーママ(2児の母)が読んだ本についてご紹介します!

助けが必要なのはどっち?と怖くなった本

皆様こんにちは!

この春、我が家は子どもの生活環境がガラッと変わり、子供だけでなく親もなかなかその変化についていけずバタバタしております。

実は昨年度から人員削減の波に揉まれて、仕事を失いはしなかったものの、引き継ぎをする、新しいことを覚える、慣れ親しんだ仲間がいなくなる・・・等々、ちょっとしばしゆっくりしたいなあ・・・という気持ちになる日々でした。

そんなわけで、いろいろあって読書スピードが減速していたのですが、最近読んで思わず考え込んでしまったと思った本がありまして・・・

 

『遠くの人と手をつなぐ SOSの届け方』千葉望 理論社 2023年

10代の人にノンフィクションを届けたいという趣旨のシリーズの1冊です。

他人(特に若者)を助けるために頑張っている大人たちがいるよ!

をテーマに、作者が、子ども食堂の運営者、被災地で学習支援を行う人などを取材して、地域に根ざした地道な活動を続ける大人たちについて記しています。

私がこの本を読んでみようと思ったのは「子ども食堂」 について知りたかったからでした。

子育てをしている中で「食べ物に困らない生活」「健全な地域社会を作る」ことの重要性を感じることが多く、以前から子ども食堂の趣旨、スタイルがとてもいいなあと思っていて、こういった仕事をゆくゆくはしたいなあと・・・。

その勉強も兼ねて読んでみたのですが、こういった大人たちにたくさんの子どもたちが出会って欲しいと思った反面、こういった事業で続けるためには他のことで稼ぐなり、どこかしらで援助があったり、資金繰りに奔走したりすることが多いのだろうなあ・・・と。

この本で紹介されている人たちは、稼ぐことに重きをおいていないと思いますが、経営のためには、主催者たちの基本的な生活が維持できなければ事業は続かないわけで・・・。

世の中のためにとてもいいことをしていて、社会に必要な仕事であるのに儲かるわけではない・・・これは、お金を稼ぐことで経済、社会が循環する資本主義社会の弊害なのでしょうか?

またこの本に限らずなのですが、若者の向けに「困ったときはこうするといい」みたいな指南書を図書館で見かけることが増えたなあと。

こういった普通の生活ができなくて困っている若者向けの本もありますし、基本的な家事を身に付けるための本、小・中学生向けの税金・投資に関する本もちらほら・・・

私が10代の頃にもこういった本はあったのかどうかは分かりませんが、とにかくちょっと空恐ろしく感じるのは、親や教師といった身近な大人へ聞けない環境にある子が多いのかなーと。

もしくは我々大人側に余裕がなさ過ぎるのか、はたまた、子どもの質問、困りごとに対してちゃんと答えられないような教育を受けてきた大人が多いからこういった本たちがあるのか・・・。

子どもも大人もちょっとしばし自分と静かに向き合ってみる必要があるのでは・・・?と、忙しい日々の中で感じました。