ワーママと本と冒険の旅

年間100冊読むワーママ(2児の母)が読んだ本についてご紹介します!

答えを知るために読んではいけない本

子育てに奮闘中の方にオススメする本 その20

今回は「我が子が勉強してくれない!」と日夜嘆く親御さんに特にオススメです。

『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』おおたとしまさ編者 日経BP 2013年

本のタイトルが分かりやすいというか、直球ですよね(笑)。

作家、学者など識者の方それぞれが「勉強する理由」を綴っています。

本の構成として面白いのが前半は子ども向けに、後半は大人(親)向けに書かれているところです。

だいたいの方の考えとして多いのは

・結局、勉強しないと生きていけない

・本は読んだほうがいい!

・楽をせずに地道に登った人にしか味わえない景色があるように、勉強は積み重ねてしないと「もっと知りたい」という気持ちにならない

・・・でしょうか。

私は絵に描いたような運動音痴でして、座って何かをするほうが性にあっていたので「勉強なんて役に立たないから勉強しない」とは言わないタイプでした。

むしろそういった類のことを言って勉強しない人の話を聞くと「そういうことを言うなら教科書全部理解できていて、テストで100点取れるってことだよね?無理ならなんで『役に立たない』って断言できるの?」と内心思っていた嫌味な奴でした(笑)。

なので坂東眞理子さんも似たようなことを書いており、「あ、やっぱりそう思いますよね?」と共感しました。

ですが、どうしても運動を嫌に思う私のようなタイプがいるように、どうしても勉強が嫌なタイプの人もいるんだろうなあと思いました。

今回の本の識者たちは、なんだかんだ言っても基本的に「学ぶことが好き」な気持ちを持っている方々が多いようなので、それがとことんが嫌いな子どもに果たしてこの本の良さは伝わるのかな?とは思いました。

また、この本を読めば「子どもを説得できる答え、方法が手に入る!」ことを期待して読む親は、きっと子どもを勉強好きにはさせられないだろうなあ・・と(笑)。

こういった他人の意見を読んでみて、自分の考えを明確にして言語化しないと我が子に「なぜ勉強しなくちゃいけないのか」の答えは伝わらないと思いました。

そもそもこのひとつのテーマで本が1冊できるくらいなので、語ろうと思えば論文が書けるくらい壮大なテーマなのでしょう。

読んでいて「この表現は私にとってはよく分かる!」と思ったのは、生物学者 福岡伸一さんの

『「自分はなぜ存在するのか」という類の「大きな問い」に対し、「そんなことを考えても1円の得にもならない」という人がいます。でも、「役に立つ」とか「特をする」という短期的な目的は、人生を支えてはくれません。(中略)小学生のうちから職業に役に立つスキルを身に付けるように望む大人が多いからこそ、子どもは「大きな問い」を見失います。だから「学校の勉強なんて役に立たない」とか「微分積分をやったって1円の儲けにもならない」みたいなおかしな話になってしまうのです。そうすると「小さな問い」にも答えていくことができなくなります。』

私は昨今の『タイパ重視』傾向が苦手というか、イマイチ変な傾向だなあと思っているのですが、今回の本を読んで勉強面においても(受験勉強でないのなら)あまり効率重視!高得点重視!とかを子どもに求めないほうがいいのだろうなあと思いました。

それよりも「一生をかけて突き詰めたい何か」を人生のどこかで見つけたときに「学力がさなすぎてできない」事態にならないように子どもを見守ることが大切なのかなあ・・・と。
子どもを見守るのが苦手な方は、ときどき読み返してみることをオススメします(汗