ワーママと本と冒険の旅

年間100冊読むワーママ(2児の母)が読んだ本についてご紹介します!

言葉を得て、話すことの喜び、そしてその苦難を知る本

今年のマイベストブック その10

『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』京極夏彦 講談社 2019年

夫(または妻)に自分の考えが全然伝わっていない・・・!と思っている方にオススメです(笑)。

タイトルがなんだが不穏だし、著者があの京極さん・・・というわけで、興味はそそるけどどんな内容なのか全く検討がつかず手に取った本。

なぜこのタイトルなのかはぜひ読んでいただきたいのですが

10代の聴講生向けに特別授業をした内容を書籍化したものだそうで、読みやすかったです。

電車の中だろうと、それこそ家事中でも育児中でも(笑)、ささっと読み進めることができました。

「言葉」は世界も人も救わないけど、人を呪えるし、祝うこともできる。

「言葉」で世の中は変わらないが、人を変える影響力はある。

「言葉」は非常に不完全で欠けたものである。

他人との意思疎通のために、自分の気持ちを形にするために言葉はなくてはならないものですが、今、自分の頭に浮かんだ言葉は絶対に他の単語にはならないのか?本当にそれで相手に伝わるのかなんてちゃんと考えて生きてきたことはなかったなあと思いました。

そして「ちゃんと気持ちを言葉にして伝えたのになんでその返答になるかなー」と夫に対して不満に思うことがあるのですが(笑)、京極さんに言わせれば、

そんなの当たり前だよ!言葉を信用し過ぎ!と突っ込まれそうだなあ・・・と。

このブログの記事も「自分の考え」がどうすれば相手に伝わるのかを考えて言葉選びをしているつもりだったのですが、それはずいぶんな思い上がりだったのかもしれません。

私も京極さんと同じく「嫌いなことをしないためには頭をつかう それはそれでけっこう大変だけどストレスは少ない」という意見に賛成で、そのためには学生さんたちには目の前の勉強を投げ出してほしくないし、本に出会って違う世界や人生もあるんだなあと思ってほしいと思いました。

自分の子供にもまた何か絵本を借りてこようかと思います。

あと、夫(または妻)に自分の言葉が伝わらず、日々イラッとしているママやパパはぜひ読んでみてください(笑)。