オススメの本 その13
『俵万智の子育て歌集 たんぽぽの日々』俵万智 小学館 2010年
「あー、今日も子供を怒っちゃった・・・」と、子供の寝顔を見ながら後悔した夜にオススメの一冊です。
私は活字好きですが、詩集はなかなか手をつけないジャンルです。
でも今回鮮やかなたんぽぽ色の表紙と有名な筆者、そして写真が市橋織江さんということで思わず手が伸びました。
息子さんとの日常のやり取り、成長、子育ての悩みが短歌で綴られています。
ああ・・・偉大な歌人も子育てになると凡人と同じなんだなあ
でも、さすが歌人・・・子育てが文学になっている・・・
と、親近感と高尚感(?)が一体となって押し寄せてくるので、読んでいて楽しいです。
また磨き上げられ、選びぬかれた短歌を読んでいると気持ちがスーッと落ち着く感じが何とも心地良く・・・
(さらに市橋さん写真があることで、この詩集の世界観がピタッと!完成しています)
自分のとっておきの本棚を作るとすれば、手に届くところに置いておきたい一冊です。
私が特に心にズーンときた歌は
親は子を育ててきたと言うけれど
勝手に赤い畑のトマト
ついつい「子供よりも親は偉い!」みたいな態度を私はしてしまうので、この歌を読むと下手に育児書を読むより「はい、おっしゃると通りです」と頭が下がります。
あと俵さんのお父様がとても気になったというか・・・
尊敬するような人物だなあ、と。
「(失恋で受験勉強できないなら)アメリカの大学はどうだ?(←試験がないから)」
「100点じゃなかったらむしろラッキーと思え。自分ができない、分からないところをテストが教えてくれんだから」
目先のつまらないことにいちいち拘らない方のようで、お父様とのエピソードがもっと読みたいくらいでした。
子供にも自分にも優しくしたいママ、パパさんは
ぜひ一度、俵万智ワールドを堪能してみてください。