今年のマイベストブック その4
『31cm 〜ヘアドネーションの今を伝え、未来につなぐ〜』
NPO法人JHD&C KuLaScip 2021年
子供と一緒に何か世の中の困っている人のためにできることはないかと考えている方に
オススメです。
私は本を選ぶとき、本屋でも図書館でも、背表紙のタイトルをさーっと見て「おっ!」とか「ぬぬ、これは・・?」と気になるタイトル、デザインで、ひょいと手にとって見るのが好きだったりします。
今回オススメする本はそんな出会いがきっかけでした。
表紙にシンプルに「31cm」と力強く記されており、分厚かった(213ページ)のですが手に取りました。
『ヘアドネーション』
それは様々な理由で髪の毛を失い、そのために医療用ウイッグが必要で、そんな人のために自分の髪を寄付するボランティアですが、私は「ウイッグが必要な人=ガンの患者」というイメージがなぜか強く、脱毛症の人なども切実に必要としていることを知りました。
この本のいいところはヘアドネーションを無理くり押し付けていないところ。
・「髪の毛を失ったら、ウィッグはつけないといけない」というわけでない。つける自由もつけない自由もある。
・人工の髪よりも天然の髪が断然いい!というわけではない、それぞれにメリット、デメリットがある。
というふうに、ヘアドネーションの宣伝のためだけに本を作っていない視点に好意が持てました。
もう一点のオススメポイントは、ところどころで出てくるウィッグをつけた方々のポートレートがかっこいいところ。カラフルでスタイリッシュな写真集を眺めているようで見応えがありました。
私は今は育児で多忙なため、なかなか髪を伸ばそうという気持ちにはなれないのですが、特に才能がなくても立派な社会貢献があると、この本で知ることができました。
ちなみに寄付する髪の長さが「31センチ」である理由はぜひ読んでお確かめ下さい。